htoko’s blog

44歳会社員、女、バツイチ、子供なしの忘備録

夏の一日

高校時代の友達が演劇をやっていて、1~2年にいっぺん程度、案内をもらうと観に行っていた。

久々にお誘いメールが来ていたけど、週末はSさんと過ごしたいので今回はやめようとした。

 

けど、もしかと思ってSさんにその話をしてみたら、一緒に行ってもいいよと言う。なので、縁もゆかりもない街の駅から15分歩いて、観てきた。

 

彼女はずっと演劇少女で、高校のとき第三舞台の戯曲集を貸してくれたりして、演劇好きなんだなとは思ってたけど、アルバイトを続けながらずーっとずーっと好きな演劇に打ち込んでいる。真の「ぶれない人」だ。

 

彼女、スポットライトを浴びて、若い舞台女優さんたちと一緒に体を張って笑って、叫んで、泣いて、拍手を浴びていた。後ろから二番目のはじで観ていた私たちも拍手した。ロビーで差し入れを渡したら、Sさんが二人の写真を撮ってくれた。後で見たら、年相応だけど27年後のクラスメート二人が笑顔で写っていた。

 

彼女は夜公演もあるので歓談そこそこに再会呑みを約束して別れ、駅のマックでSさんとコーラとコーヒーのSを飲んでから、Sさんの仲良し親戚夫婦と、先方の地元の居酒屋で初対面した。

 

その夫婦さんはニュースにもなった大変な事故(人災)でお子さんを亡くしていた。特に奥さんが落ち込んでいると聞いて、どんな顔で会えばいいか、正直及び腰になっていた。かける言葉は見つからないし、見ず知らずの私ができることは、気分転換のこういう場に出ていくか、話を聞くしかできることはないと思った。

 

和やかに、楽しくお酒を飲んだ。私もSさんもバツイチで、と初めましての挨拶をして、お互いに笑って。とても素敵な二人で、話してて楽しかった。

 

3時間ぐらい経った頃、何かの話で奥さんが涙ぐみだし、私もつられて涙ぐんだけど、お刺身わしわし食べて、日本酒飲んで、最後は笑って改札で、こっちもまた呑みましょうと、再会を約束してお別れした。

 

Sさんとうちに帰って、ラーメン屋寄る、寄らないでもめて、セブンイレブンで冷凍ラーメンを買ってうちで食べた。Sさんは納豆キムチを自作してラーメンに入れていた。

 

高校のとき、離婚のとき、いろいろ、先が見えなくて泣きたくてイライラ、カリカリしてた時間がずっとあって、その延長上、今日の一日のような、いろいろな縁で会って、笑って、また呑みましょうと言って別れる。過去のことは話したり、話さなかったり、話せるようになったら話したり、話さなくてもよかったり。相手もそうだと、想像できたり。

大人になるのは悪くなかった。自分のとげとげが取れて、今が一番楽しい。